「"発見"押収ネジは捏造されたもの」を立証する新証拠
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●警察幹部は「佐藤写真撮影報告書」のネガフィルムをひそかに廃棄していました(68回コラムの再論)
「佐藤写真報告書」は、里警部が8月10日に私の元居室の布団袋の中から"発見"押収したリン止めネジをカラー写真で撮影したものです(他のもの12枚も撮られていますが)。裁判所の証拠の開示勧告によって、同報告書のネガフィルムも開示されることになりました。しかし、8月10日以前と以降に撮られた他の写真のネガフィルムはちゃんと開示されたのですが、このネガフィルムのみが有りませんでした。検察庁へも届いていなかったのでした。
道警のある人物(石原警視か彼に近い人物)が、ひそかに廃棄してしまったわけです。廃棄した理由は明らかです。ネガフィルムを拡大すれば、8月10日押収のリン止めネジにはドライバー傷はついていないことが判明してしまうかもしれない、と恐れたからです。証拠物の(検)766番のリン止めネジには、ドライバー溝にすぐに判るドライバー傷が3ヶ所に付いています。
石原警視はリン止めネジを外部から持ち込んで"発見"を捏造させたのですが(実行者は里警部)、事態が急展開した捜査でしたから、石原警視は慌てており8月8日か8月9日に市内の時計店でシチズンのトラベルウォッチを購入して、リン止めネジをはずして里警部に持たせて"発見"を捏造させたのでした。しかし石原警視はその後に、多分8月22日か23日に、工作者(大森)は時限装置を作るために、ドライバーでリン止めネジをリンからはずしまた絞める作業を何回もやったはずだから、ネジにドライバー傷が付いていなければならないことに気付きます。傷が無かったら警察が捏造したと疑われてしまいます。それで、石原警視はそのリン止めネジに傷をつけたか、別のリン止めネジに傷をつけてスリ替えたのです。それが(検)766番のネジになっています。
「佐藤写真報告書」のネガフィルムのみが廃棄されていたことが判明したことによっても、8月10日押収のネジには傷が無かったことが明らかになりました。
【お詫びと訂正】
私は第68回コラムで、「佐藤写真報告書」のbWとbXの写真("発見"リン止めネジを撮った写真)のみ、現物ではなくコピー写真に差し替えられていましたと書いてしまいましたが、そうではありませんでした。ちゃんと現物写真が添付されています。弁護人と私との連絡がうまくいかなくて、間違ってしまったのでした。お詫びして訂正いたします。
●証拠申請されなかった「松田写真撮影報告書」−不正証拠であるためです
今回の裁判所の開示勧告によって、8月30日付け「松田写真報告書」とそのネガフィルムも開示されました。8月10日に押収したネジの拡大写真2枚が添付されている報告書です。撮影日は8月18日となっています。
(1)拡大写真を眺めてみると、ドライバー溝に傷が付いているように見えます。つまり捜査側にとって重要な価値を持つ証拠です。もし真正な証拠であれば、当然1審の第3回公判で、他の多くの証拠とともに証拠申請されねばならないものです。しかし申請されなかったのです。ずっと隠されてきて、今回の開示勧告で初めて出てきた証拠です。しかも道警は検察庁へも送っていなかった証拠だと判断できるものです。不正証拠ゆえに証拠申請されなかったのでした。
(2)もし8月10日押収ネジが傷が付いているネジであれば、それを拡大して撮らした「松田写真報告書」が不正証拠になるはずはありません。しかし、このネジには傷はないことは、以前も書きました8月21日付け「中島・本鑑定書」(単に中島鑑定書と言ってきたものです。8月16日から18日に実施)で、証明されていますし、「佐藤写真報告書」のネガフィルムが廃棄されていることでも明らかです。「松田写真報告書」が証拠申請されなかったことも、8月10日押収ネジには傷はなかったことを逆に証明しているのです。
(3)どうなっているかといいますと、次です。石原警視は8月18日に松田氏に8月10日押収ネジの拡大写真を撮らしたのでした。傷のないネジです。しかしその後、石原警視は8月22日か23日に、傷が無かったらヤバイことに気付いて、傷をつけたネジを再び松田氏に撮らしたのです。しかし単独で撮らしたら松田氏が怪しみますので、「実はネジとあわせて撮る証拠物が2つあったが、私がミスをして撮らしていなかった。すまないが、8月18日の札を使ってもう一回ネジとこの2つを撮ってほしい」と言って撮らしたのでした。
その2つとは、「コップ洗浄ブラシ」と「物入れ」です。開示されたネガフィルムの方にはこの2つも写っています。しかしこの「コップ洗浄ブラシ」は8月7日に押収された4個のコップ洗浄ブラシの1つです。私が市内のゴミステーションに8月7日に捨てたものです。そして既に8月8日に写真撮影されたものです。「物入れ」は押収されてもいないものです。2つとも拡大写真で撮る意味がないものであることはすぐ分ります。2つは、再度ネジ(傷がある)を8月18日の札を使って撮らすための口実として使われただけでした。
石原警視は、松田氏が「報告書」を作成する段階になったときに、「2つはやはり不要と判断したので、ネジの写真2枚のみを添付する報告書にしてほしい」と指示したのです。こうして「松田報告書」には2枚のネジの拡大写真のみが添付されたのでした。石原警視は8月18日に撮らした傷の付いていないネジの写真とネガフィルムは、ひそかに廃棄しました。
(4)石原警視はこの「写真報告書」を、もし弁護側が傷の問題を追及することになった場合にそなえて用意しておいたのです。追及がなければ、検察庁へも送致しない考えでした。そして私たちは1審、2審段階では傷のことに気がつくことができませんでした。上告審は証拠調べがありません。
最初から検察庁へ送致してしまうと、検察官は当然証拠申請します。そうすると松田氏が公判で証人尋問されることになります。そうなれば、今書いたようなことが明らかになってしまうおそれが強いために、石原警視は送致しなかったのです。
●リン止めネジに傷をつける偽造をしたこと(あるいはスリ替えたこと)が、8月10日のネジ"発見" 押収が捏造であることの証拠です
8月10日に本当に布団袋の中からリン止めネジが発見されているならば、そのネジになにか不正の工作をすることなどありえません。「佐藤写真報告書」のネガフィルムを廃棄したこと、「松田写真報告書」を隠して証拠申請させなかったことは、8月10日押収ネジには傷はなかったこと、傷が後日偽造されたことを明らかにする新証拠です。それはとりもなおさず、8月10日のリン止めネジ"発見"押収が捏造であることを証明する新証拠なのです。
2015年7月19日記
大森勝久
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