裁判所が11月13日、検察官に証拠の「開示勧告」をしました |
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●10月16日付検察官意見書の内容
検察官は10月16日、「証拠開示命令申立てに対する意見書」を提出しました。「本件開示命令申立ては理由がない」とする2枚の短い意見書です。
検察官は、第一審訴訟手続きと再審請求審手続きは、「訴訟構造が根本的に異なって」いるから、「公判前整理手続きにおける類型証拠および主張関連証拠の開示制度を、再審請求審に適用ないし準用する余地がないことは明らかである」と主張していました。
刑事訴訟法には「再審請求制度」が規定されています。誤った裁判(判決)の救済のためです。訴訟の構造が異なっているのは事実ですが、ともに、刑事訴訟法第1条(「目的」)の「事案の真相を明らかにし、刑事法令を適正・・・に適用実現することを目的とする」に支配されているのですから、「根本的に異なっている」のではありません。
この1条の規定により、公判前整理手続きの開示制度が、再審請求書にも適用されるのは当然過ぎることです。だから、既にいろいろな再審請求審において、適用がなされてきているのです。検察官は、裁判官は刑事訴訟法に違反しているとでも言うつもりなのでしょうか?検察官は「法治主義」を守らなくてはなりません。
●「11.13三者協議」において、裁判官が証拠開示を勧告しました
11月13日、裁判官、弁護人、検察官による「三者協議」がもたれました。その席で裁判官は、検察官に対して以下の証拠の開示を勧告しました。
1、ねじ発見の際の写真とネガその他関連証拠。
2、未開示の鑑定書、その他ねじに関する未開示の関連証拠。
3、布団袋および布団袋に関連する未開示の証拠。
これらは弁護人が開示を求めた主要な証拠です。「送致目録」に関しては、開示勧告はありませんでした。第62回コラムで述べました8月21日付中島鑑定書は、2となります。
検察官は、開示勧告があった上記の1、2、3の各 証拠の開示に関して、「年内中に回答する」と述べました。
検察官はしぶしぶ開示することになるでしょう。
2014年11月15日記
大森勝久
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