「発見リン止めネジ」は捏造証拠―里幸夫警部の「発見演技」と嘘証言 |
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●里幸夫警部の「発見演技」と嘘証言(1審46回、47回)
第42回コラムでも書きましたが、家宅捜索の班長である里幸夫警部は、ア:布団袋の中の上下布団、毛布、ロープ、細引きを取り出させた後、イ:空になった布団袋を2人の警察官に両方から持たせて(畳から持ち上げさせて)、自分が手を中に入れて、底の中心部をとんとんと叩いて内部のゴミなどが真ん中に集まるようにして、ウ:布団袋を畳に降ろさせて、自分がゴミを丹念により分けるようにして検分しているときに、初めてその中に金色のネジ1個があるのを発見しました。エ:そのネジを自分の手のひらの上に置いて、カラー写真を撮らせました、と証言しました。
アとエは事実ですが、イとウは嘘証言です。里警部は空になった布団袋を2人に持たせてトントン叩くようなことはしていません。それは42回コラムに書きましたように、新証拠の「発見状況(里証言)再現実験DVD」で明白になりました。そのことは「発見」が嘘だということです。「発見リン止めネジ」は捏造された証拠なのです。
里警部はどのように「発見演技」をしたかですが、42回でも書きましたが、再度述べます。里警部は、アの後、手の中にリン止めネジを隠し持って(親指と中指ではさむとか)、彼1人で空になった布団袋の中、とくに横の面が垂れて陰になる隅の方を捜すふりをした後に、ネジを手のひらの上に乗せて、「カラー写真でこれを撮ってくれ」と佐藤修一巡査部長に指示して、撮らせたのです。
佐藤修一巡査部長は、写真撮影を担当しました。布団袋のそばにいて捜査状況を見ていましたが、彼は後述するように、アの後に、空になった布団袋をすぐに検分したことは見たのですが、イやウなどは見ていません。佐藤氏の証言(1審47回公判)によっても、里警部のイ・ウの証言が嘘であるが分るのです。
イとウは、里警部が「ネジ発見」を真実らしく裁判官と弁護側に印象づける(洗脳する)ために、頭の中で作り出した話なのです。ネジの発見は、2名の警察官もこのような形でちゃんと見ており、本当に発見されたのですよ、というわけです。
●佐藤修一巡査部長の証言(1審47回)が、里警部証言が嘘であることを明らかにする
佐藤巡査部長は写真撮影を担当していました。白黒フィルムのカメラ1台とカラーフィルムのカメラ1台を首に吊って撮影をしました。彼は里警部が証言した後の、同じ47回公判で証言しました。極めて重大なことが証言されています。
佐藤氏は「班員の検証なり、捜索差押の状況を写すのも、私の役目です」(47回、15頁)と証言しています。また、目だけでなく耳(声)でも班員の動きを把握する旨を証言しています(16頁)。
彼は布団袋の中から上下布団、毛布を取り出して、ロープが残った状態の布団袋を白黒写真で撮っています。白黒写真26番です(27,28頁)。次が重要です。(弁)の「そのひも(ロープ)は、だれかがどこかへよけたのか、そのまま放って置いたのか」の問いに、彼は「これをよけて布団袋空になったところを、更に検分していたようです」(28頁)と答えているのです。つまりここで里警部は、空になった布団袋の隅を捜すふりをして、「発見演技」をしたのです。里警部は、空になった布団袋の「中をのぞき込むようなことはしませんでした」(47回、12頁)と証言していましたが、真っ赤な嘘であり、本当はここで「発見リン止めネジ」という証拠捏造をしたのです。もちろん、イやウなど佐藤氏は見ていません。無かったことなのです。
(弁)「その後、写真に撮ったものがありますか」。佐藤氏「そのあと、里警部が何か写真、カラーで撮ってくれというふうに言われて、ネジのようなものを撮りました」(30頁)。(弁)「26番の写真を撮ったその次(に撮ったものは何ですか)」。佐藤氏「ですから、ビスと言いますか、ネジと言いますか、それを撮りました」(30〜31頁)。「大体同じ近所におりました」(31頁)。「里警部の手の中にありました。・・・・布団袋の中から手の上にのっていた状態でした」(31頁)。(弁)「のっているのは知っているけど、それじゃ、それまでの状態は、あまりよくわからんですか」。佐藤氏「それまでは、ちょっとわかりません」(31頁)。
佐藤氏は白黒写真26番の次に、カラー写真9(里警部の手のひらの上のネジ)を撮ったのでした。
真実の発見であれば、里警部は「あっ!ネジがあったぞ!ここをカラー写真で撮ってくれ」と佐藤氏に言い、佐藤氏は布団袋の中にあるネジを撮ることになります。しかし里警部は、何の発見の言葉を発することもなく、手のひらの上にネジを置いて、「これを撮ってくれ」と言ったのです。だから佐藤氏は、ネジが布団袋のどこに有ったのかも見ておらず、里警部がそれをつまんで手のひらの上に置いたところも、見ていないのです。この限りない不自然さは、捏造証拠であるためです。
2013年4月9日記
大森勝久
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